「学会ニュース」バックナンバー一覧































学会ニュース
日本女性学会  
第88号 2001年11月    
誌上シンポジウム
「女性学の制度化をめぐって」(2)
女性センターについて想うこと    船 橋 邦 子
 8月に行われた国立女性会館(NWEC)主催の「女性学・ジェンダーフォーラム」に参加した。例年どおり、自分たちでワークショップを企画している女性たちが全国から集まり、熱気でパワーが充満していた。残念ながら日本女性学会はとても太刀打ちできないパワーだ。私は、1980年代後半から企画委員として前身である女性学講座にかかわってきたせいか、同窓会のような思いで、多くの参加者の方々と再会を愉しんだ。(しかし、それだけ小さな世界なのだ。私の選挙結果をみて、応援して下さった全国の方々から自分たちの地域での広がり、男女共同参画への認識の現状、女性運動の真の力を再認識したというお便りをいただいた。)数あるワークショップのなかから女性センターに関するものに参加した。最近では、男女共生、男女共同参画推進、あるいは支援センターなどに名称変更しているところが増えてきている。女性差別が厳然と存在するなかで、男女共生、男女共同参画もないだろう、という批判はごもっとも。マーでも、定年退職した男性を取り込むのも悪くはない。要は、女性センター、男女共生、男女共同参画センターの目的をどう認識しているかの問題だ。それは、女性差別撤廃にとどまらず、いままでの男性中心社会が価値としてきたもの、その文化を変革し、新たな価値と文化を創りだしていくことだ。ところが、現実はセンターの運営においても、女性のアンペイドワーク、有償といえども信じがたいペイ、しかも運営にかかわる女性たちを行政側が階層分化している実態もあることが、明らかにされた。
 女性たちのすばらしいパワーが行政、体制に実にうまく利用され、女性たち自身もそれで不満に思いつつも、その状況に甘んじている。制度化された女性センターが、体制の補完ではなく、目的達成のための機能を果たせるためにも、NWECや日本女性会議に参加する女性たちに、私を含め、女性学教育・研究に携わってきたわれわれが、女性学の本来の目的をより一層、明解に伝え、女性センターの運営、企画においても、従来の男性社会とは異なる、オルターナティブな方向を見出す努力が求められているように思う。
大学院生の立場から
◇ 現在私は、女性学を専攻している大学院生です。以前には授業科目になかった女性学を、(大学)制度のなかで、それも専門分野として学ぶことができることはとてもうれしく思う一方で、日々疑問も感じています。
 まず、就職の問題については、学位論文を書いても就職がない先輩の姿を見ていると、女性学で論文を書くには「自分が書きたいから」という純粋に自発的な動機がますます支えとなり、そうなると、好きでやっているのだから就職に結びつかなくてもしかたがないと諦めざるをえなくなります。実際、一旦は女性学コースの門をくぐりながらも、女性学では就職ができないからと、既存の学問分野に入りなおす人もいるような状態です。
 また、指導教官との関係においては、集まってくる学生の研究関心が、女性学という学問の性質上多様であるにもかかわらず、女性学を専門とする教官の人数が限られているのが現状です。このことは、女性学がその他の学問に比べていまだ狭い世界にあるということからも、指導教官への依存度を高くさせ、気がつけば、心身ともに身動きがとれないと学生の側に感じてさせてしまうことにもなります。このような閉塞状況を乗り越えるには、相当の「心意気」が必要であることはいうまでもありません。
 ここにこのような一学生の現状認識を書いたのは、これまで指摘されてきた女性学の制度化をめぐる問題が、一方で、個人、とくに学生・院生の「心意気」の問題だけに返されてしまう向きがあると危惧していることを指摘したいからです。女性学における就職難などの問題が常態化している状況のなかで、学生は就職ができるかという悩み以前の段階で消耗しているような気がします。だからこそまずは、これまで自分自身が乗り越えていく、あるいは乗り越えていかなければならない個人的な問題として抱えてきたことをひとつの意見として発言しようと思いました。権力構造に敏感になることは、女性学こそが率先して実践していく問題であり、この視点がまさに制度化の最中にある女性学の構造自体を問う取り組みのなかで見落とされるべきではないと強く思います。
                              (大学院生 博士課程)

                                    野田さやか
◇ 大学院で女性学を専攻しているにも関わらず、今回の大会特別部会のテーマが、女性学の制度化・権威化と聞き、正直私はあまりピンと来なかった。それは、女性学の制度化・権威化ということばが、壇上でも触れられた「一つの大学に女性学の教員は一人いれば十分」という大学の現状と合致しないように思えたことにもよるが、この度の学会大会に参加して感じたものとも、合致しなかったからだ。
 日本女性学会大会は、僅かではあるけれども私の知っている、どの社会学会大会よりも、院生や教員という参加者だけでなく研究機関外の人たちが、その存在が見えるほど多く参加し、またそのような参加者への配慮が為されているように見えた。開催場所が大学ではなかったのも一つの要因となっているのかもしれないが、研究者であるか、その他の大義名分でもなければ参加しにくいような頑なさを、この度の学会大会で、私はほとんど感じなかった。失礼かもしれないが、そのことに逆に違和感を覚えてしまったほどである。
 このような違和感は私の女性学に対する姿勢の問題なのかもしれない。女性運動の大きな波を経験してはいない私のような世代の者が女性学を専攻することは、自分のジェンダーやセクシャリティによって様々な問題を抱えているにも関わらず、自分の直面する問題の解決を求めて、というよりは、むしろ多くの興味深い学問分野から一つの学問をチョイスする感覚に近いものがあるのではないだろうか。だからこそ、他の学会でジェンダーが取り扱われる場合と日本女性学会における場合との違いに違和感を覚えてしまうのだと思う。
 これは、まさに私が制度化された女性学しか知らないということを示しているのだろう。けれども、私たちの世代の多くの女性は、幸か不幸か、「女性学を学んだり女性運動に参加したりしなければ人間として生きてゆくことができない」という自覚はない。このような状況のなかで、その学問を学んでいるというだけで「男に伍して戦う強い女」たることを期待される女性学に足を踏み入れた私としては、どちらかと言えば、さらに女性学が制度化されて、「強い女」たることを期待され自分の研究分野と普段の生活が照らしあわされるような負担を軽減させたい、あるいは、その負担に似合うような将来の展望を持てるようになりたいと願ってしまう。
 壇上で、「院生には就職のことなど考えずに研究に専念して欲しい」という教員からの発言もあったが、フェミニストが感じる経済的に自立するべきというプレッシャーは、男性が感じるそれより、むしろ強いのではないだろうか。      
                      (大学院生 修士課程)
※「誌上シンポジウム」にどしどしご意見を お寄せ下さい。あて先は、
   牟 田   伊 田    
研究会報告《セックスワーク論とフェミニズム》
2001年9月14日 於東京ウェメンズ・プラザ
   
 27名定員の部屋に30名前後の参加者で研究会をおこなった。川畑智子氏が「セックスワーク論は何を主張しているのか?」、杉田聡氏が「「セックスワーク論」批判」、細谷実が「セックスワーク論の可能性−聖母/娼婦の分断の批判に向けて」という報告をし、その後に全体で質疑討論した。
 質問は、川畑氏には「性行為を売ることができるという考え方は、心と身体の一体性を保障しようとする現代 人権論を掘り崩すことになるのではないか」、杉田氏には「売春以外のホステスや女優やモデルなどがおこなう性的サービス商品の売却についてはどう考えるのか、また、男性売春者についてはどう考えるのか」、細谷には 「男たちには、聖母/娼婦の分断のような分断がなされないのはどうしてか」、などが出された。活発に意見交換がなされ、盛り上がったところで時間切れとなった。
 現行の売春防止法の問題性に関して、売春婦取り締まりではなく買春男性処罰へと変えるべき(杉田)、売防法を撤廃して、代わりに売春婦と非売春婦のすべての人々の性的権利を保護する性暴力禁止法を作るべき(川畑、細谷)、と部分的には一致をみた点は特筆される。その後、15名前後が近所のお店に席を移し、11時過ぎまで意見交換をおこなった。
 セックスワーク論の支持者と批判者とが一緒に研究会を持ち、実質的な意見交換をしたというのは、あまり他に聞かない話である。江原由美子氏の司会力の寄与も大きかった。
 これまで、日本女性学会でセックスワーク論が論じられたことはなかったと思う。今後さらに議論していく必要のある問題であると考えられる。           
                          (文責 細谷)
■研究会のお知らせ
    日本女性学会と愛知淑徳大学ジェンダー・女性学研究所共催による
研究会開催のお知らせ
日 時:2002年1月10日(木) 18:30―20:30
報告者:ベラ・マッキーさん
      オーストラリア カーティン工科大学教授、国際文化学部長
      お茶の水女子大学 ジェンダー研究センター客員教授 
      専攻 女性学、日本女性史、フェミニズム
テーマ:フェミニズムと多文化コミュニケーション
場 所:愛知淑徳大学 研究棟 2階K1会議室
参加費:無料
報告言語:日本語
問い合わせ、申し込み先:
 愛知淑徳大学ジェンダー・女性学研究所
 住所 480-1197 愛知県長久手町片平9
 (名古屋駅より地下鉄東山線で本郷駅下車、バスで 大学前迄)
 電話 0561-62-4111 内線498 山田清美
 FAX 0561-63-9308
  e-mail igws@asu.aasa.ac.jp

 現在、お茶の水女子大学に客員教授として日本においでのベラ・マッキーさんを愛知県にお招きして、「フェミニズムと多文化コミュニケーション」をテーマに研究会を開催します。マッキーさんは日本のフェミニズムについての研究をライフワークとしておられ、かつアジア、太平洋諸国のジェンダーと社会変化についても研究しておられます。アジア、太平洋地区のフェミニズムについて最新情報を提供していただけると期待しています。
 会員の皆様、ふるってご参加ください。参加希望者は予め上記連絡先にお申し込みください。                                            (國信)

※研究会の企画を募集しています。学会より補助が出ます。問合せ先は、細谷・江原
2002年度日本女性学会学会誌『女性学』10号 投稿原稿募集
  1. 応募資格
    日本女性学会の会員に限る
  2. 応募原稿
    論文、研究ノート、情報及び書評で未発表のものに限る。論文は主題について論証が十分なされている点に、研究ノートは主題の提起に独創性があり、今後の展開が期待される点に評価の価値がおかれる。また、情報とは、国内外の女性学をめぐる動向を意味する。

    紙数制限(註・参考文献リストを含む):
     論文(400字×50枚以内)、研究ノート(同20枚以内)、
     情報、書評(同5〜10枚程度)
  3. 応募原稿はワープロ・パソコンを使い、A4用紙に  40字× 30行で印刷する。
    使用言語は日本語とする。
    原稿は縦書きとする。
    学術論文であるが、専門分野の異なる人にも理解できる表現をこころがける。
    図および表は別紙に書き、写真は一枚ずつ別紙に貼る。通し番号をつけ、本文原稿の欄外に挿入箇所を指定する。
  4. 投稿原稿は、コメンテーターによる査読がなされ、最終的な採否の決定は編集委員会の責任となる。
  5. 掲載が決定した場合
    (1)最終稿(2)英文による表題(3)論文の場合は、300words程度の英文要約を、フロッピーディスクで提出する(MS-DOSに変換し、使用機種、ソフトを明記する。)
編集委員会に送るもの(各7部)

■執筆者情報(A4一枚におさめる)氏名住所・電話fax番号(引越・海外移住の場合は新住所と移転日を明記)あれば電子メール・論文タイトル・関心領域
■論文・研究ノート・書評など原稿をホチキスでとめたもの(本文に氏名を表記しない)。

  送付先 日本女性学会事務局
  締め切り 2002年2月20日(厳守)
  書式の詳細は次頁に記載。
執  筆  要  領
見出し/小見出し 原稿の最初に見だし/小見出しを掲げる
 【例】
はじめに
一 読者研究と投書・投稿欄分析
二 「少女読者共同体」の規模と成員の年齢構成
三 読者ネットワークとしての「少女共同体」
  (1)拡大する少女たちの「交際」圏
  (2)活発化する読者ネットワーキング
四 「他者」の定義と共同体の境界
  (1) 「他者」の摘発
  (2) 読者と愛読者の境界
  (3)「清い少女」の共同体
五 「少女共同体」の囲い込み
  (1)共同体に対する監視の強化と「誌上交際」の成立
  (2)封じ込まれる「少女的言説空間」
終わりに

文中の引用 書名は『 』、論文名、文中の引用には「 」を用いる。邦訳がないものは、執筆者訳による著者名、書名に続けて、( )を用いて原著情報を簡略に記す。

 註は、本文のその箇所にasの通し番号をつけ、内容は本文の後(文献目録の前)に一括して記載する。読者が読みやすい文章を心掛けるためにも、本文の流れの中に含めることができるものはできるだけ本文中に組み込み、省けるものは省く。
引用文献の出典は、註を使って記載してもよい。本文中に記載する場合は、括弧内に著者名、出版年(発行年、刊行年)(必要であれば該当頁)を記し、詳細は文献目録に記載する。

参考文献目録  文献目録は、論文の末尾にまとめて記載する。
(1)参考文献目録は、本文、註の後に一括して記載する。
     (本文、註、参考文献目録の順)
(2)著者名はABC順に並べる。(和書、外国語書混合とする。)
(3)同一著者の文献は、発表年度の古いものから順に並べ る。
(4)記載項目
  著著(編薯)の場合:著者(編著者)名、書名、(出版社名、出版年)頁。
  共著の場合:論文著者名、論文名、編者名、書名、出版社名、出版年、頁。
  雑誌の場合:論文著者名、論文名、雑誌名、巻、号、(出版社名)出版年、頁。
    邦訳のある場合は、邦訳者名、邦訳題名、(頁)出版地、出版社名、出版年を
   原書の内容の記載後に続けて書く。
(5)日本語の場合:論文には「  」を、単行本、雑誌名 には『  』をつける。
  英語などの場合:論文には" "をつけ、単行本、雑誌名はイタリックにするかアンダーラインを引く。

【例】
Firestone, Shulamith, The Dialectic of Sex, New York: Bantam Books,
 1971(林弘子訳 『性の弁証法』、評論社、一九七二年)
Mitchelle, Juliet, "Women: The Longest Revolution," New Left Review,
 No.40 (November-December, 1966), pp. 11-37.
井上輝子 『女性学への招待』、有斐閣、一九九二年。
亀田温子 「平等をめぐる世界の動き・日本の動き」 西村絢子編著『女性学セミナー』、
 東京教科書出版、一九九一年、二二四〜二四八頁。

〈女性センター情報〉3
   
「女性センター」で働き始めて1年
      三井マリ子(とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ館長)
 夜8時半。羽田を飛び立った飛行機から大阪の明かりが見えてくる。
 機内からの夜景は美しい。夕食後の家族だんらんの時間だ。この家々の明りの下で暴力に苦しんでいる女性がいるなんて想像だにできない。
 しかし実態は? 豊中市の調査(注)によると、身近な男性から暴力を受けた女性は7割にのぼる。拳骨や物で殴りられたり、髪を引っ張られたり。その結果、「包丁で切りつけられ胸に血がにじんだ」「頭を縫う怪我をした」。
 身体への暴力ばかりではない。「帰宅が遅いと怒られ」「子どもが泣くと、外へ連れて行けと怒鳴られ」「友人とのつきあいを制限され」と、女たちは精神的に支配され追い詰められている。
 私が、大阪豊中市の男女共同参画推進センターすてっぷで働くようになってちょうど1年。DV法施行を控え、今、センターは関連事業がめじろ押しだ。豊中市は人口40万の住宅都市。大阪中心街から電車で15分。議会には、全国初の車椅子女性議員が健在で、町には、「女の喫茶店フリーク」の姐御たちがいる。
 そんな自治体で、性暴力や性差別撤廃のために働く仕事はおもしろい?と思って就任したのは「初代館長募集」に応募し、受かったから。日本に200以上ある公的女性施設館長が公募なのは、日本で、現在、豊中市のみ。公的ポストは全て公募の北欧とは大違いだ。 
 しかし、頭を抱える問題も多い。50億円で建てた4500施設にしては職員不足。常に忙しく連絡調整時間不足。市からの出向職員と非常勤職員間の雇用条件の格差。財団方式とはいえ市の丸抱え予算であり、それゆえ制約も多い点。
 こうした点を抱えつつも素敵なのは男女平等への情熱と能力を持った職員に囲まれてること。今月招いたストックホルム市議に「プロフェッショナルな雰囲気で講演しやすかった」と言われホッとした。長距離通勤は身体にこたえるが、参加者のメモに「からだが震えるほど感動しました」という走り書きを見つけた時など、疲れは吹き飛ぶ。
 視察大歓迎。 06-6844-9772

注)「夫・パートナーからの女性に対する暴力」調査報告書 (2001年3月、豊中市人権文化部女性政策課発行)
■渡辺和子さん追悼文集案内
〜渡辺和子の人生は、日本の女性学の歩みそのもの〜
 ―「女性学年報」第22号 特集 渡辺和子追悼集 
 「ネットワーキングの20年―運動とシスターフッドのフェミニズム―」のご案内

 日本女性学会幹事を数期にわたってつとめられ、昨年末逝去された会員渡辺和子さんの追悼集が、このたび日本女性学研究会の「女性学年報」第22号の特集として発刊の運びとなりました。総勢60人の執筆者が渡辺さんのお仕事や思い出を寄せています。内容は以下のとおりです。

渡辺和子さん追悼集発刊にあたって/姫岡とし子

T部  渡辺和子 遺稿
 論文  「ロマンティックな友情」の表象
   ―ジュエットとフリーマンのクローゼットのなかの女同士の関係―/渡辺和子
 解題  「ロマンティックな友情」を生きた人/竹村和子 
 学会コメント「日本における男性の美容」について/渡辺和子
 解題1 和子さんと共に会議に参加して/落合恵美子
 解題2 会議のオーガナイザーとして/ジャン・バーズレー/落合恵美子訳
 講演 女性の人権の立場から/渡辺和子

U部  渡辺和子さんを通してみる80年代・90年代フェミニズム
1章 運動
1.メディアにおける性差別
  「まいっちいんぐマチコ先生」に抗議します−性差別を訴えて/渡辺和子
  まいっちんぐマチコ先生/坪井眞規子
2.女性学教育
  「女性学教育ネットワーク」のチャレンジ/渡辺和子
  渡辺和子さんと女性学敦育/内海崎貴子
  『女性学教育の挑戦−理論と実践』ができるまで/金谷千慧子
3.非常勤講師組合
  渡辺和子さんと非常勤講師組合/伊田久美子
4.セクシュアル・ハラスメント
  「キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク」の結成/渡辺和子
  渡辺和子さんとキャンバス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク/沼崎一郎
  渡辺さんが教えてくれたこと/牟田和恵
  渡辺和子さんに出違って−キャンバス・セクシュアル・ハラスメント裁判の原告として−
      /森夏奈絵
  思い出の断片/中山まき子
  矢野事件と渡辺さん/小野和子
  おなごには、こんくらいにしとくと良か−熊木県会議員セクシュアル・ハラスメント事件
     /田問泰子
 渡辺和子さん、テクハラ問題に乗り出す/小谷真理
5.ドメスティック・バイオレンス
  家庭内暴力のサバイバーとして/渡辺和子
  ドメスティック・バイオレンス−相談現場から渡辺さんへの報告−/長谷川七重

2章 女性学
1.アメリカ文学
  渡辺和子さんとアメリカ文学/別府恵子
2.日本女牲学研究会
  「十一月例会に初めて参加して」/渡辺和子
  とうとうVOWの編集担当をやらないまま逝っちゃった
    −日本女性学研究会と渡辺和子さんとの縁/松本澄子
3.女性学年報
  実践と理論をつなぐ一渡辺和子さんと『女性学年報/藤田久美
  ある年、夏の京都で/神川亜矢
4.日本女性学会
  いくつかの場面−日本女性学会幹事会で−/秋山洋子
5.フェミニズム辞典
  『フェミニスム辞典』の翻訳に関わって/桂容子
6.グローバルネットワーキング
  「世界女性会議ネットワーク関西」の結成にあたって/渡辺和子
  世界女性会議ネットワーク関西と渡辺和子さん/森屋裕子
  海外の女性学会で垣間見た渡辺和子さんのことなど/三木草子

3章 思い出
 多湖正紀/本田須美子/青木理恵子/上田美江/上野千鶴子/
 ロベルタ・ウォロンズ/落合恵美子/傘敦子/北原恵/清水愛砂/
 楠瀬桂子/國信潤子/ジョイス・ゲルブ/児玉佳與子/
 レベッカ・ジェニスン/巽孝之/バディ・ツルミ/富岡明美/
 中西豊子/ジャン・バーズレー/平田洋子/福岡和子/古久保さくら/
 溝畑幸栄/森松佳代/米林安子

V部 最後の1年
 渡辺さんの最後の一年/三宅川泰子
 和子さんの闘病/小貫慶子
 世界市民、カズコ・ワタナベ/フローレンス・ハウ/荻野美穂訳
 渡辺和子さんを偲ぶ会のご報告/古久保さくら 

  年譜
(論文)
女性兵士の描かれかた/秋山洋子
母乳哺育の文化史序説/伊賀みどり
恋とわたしの領域と/藤田嘉代子
風景のなかの女/細川祐子

       菊5版 352頁
       定 価 2000円
       発 行 日本女性学研究会
       発 売 松香堂書店

*お申し込み先:540-0012 大阪市中央区谷町1丁目7-4 
  MF天満橋ビル6F オフィス・オルタナティブ
   tel:06−6945−5160/fax:06−6920−8167
■書評
牟田和恵『実践するフェミニズム』 
       岩波書店、2001年、2400円+税
 フェミニズムが学術的目的のみに奉仕し、現実の女性差別的現実を変容する力に何の手も貸さないのでは無意味、という視点にキチンと立つ著者ならではの、よく整理された問題提起である。具体的事例もあがっているためにわかりやすい。セクシュアリティ(特に性暴力)にテーマを絞ったところに今日的意味もある。
 なかでもセクハラに関して、「どのような行為や言辞をセクハラというのか」といった絶えまない質問をめぐって、著者はそのような基準の有無より、性差別と結託した権力構造を問題にしていくべきだと述べる。そしてともすればこのように「風俗問題的レベル」として捕らえられがちな論点に警告を発する。どのような言辞も行為も、それに「ノー」が言えれば、そしてそれが障害にならなければ、セクハ
ラと言われることはないはずであろう。評者もこの意見にはまったく同感である。
 ただしプラクティス3は論旨がやや平板になっている(あるいは二項対立を止揚する論点を明確に提示できていない)ところが残念である。
 それにしても、である。男女のこの認知のギャップをどうするか。セクシュアリティの感性(源初的情動といってもいい)と思考のフレームワークは一見別物にみる。しかし感性は都合よく後発の思考を取り込みアイデンティティの安定をはかろうとするのである。ジェンダーの社会化過程のこの領域におけるより深い掘り下げが必要だと思われる。         (河野貴代美)
■会員情報
キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク関西ブロック特別講演会
 調査の極意教えます
       〈大学でのセクハラ調査をどのように行うか〉
講師:辻本育子弁護士 (女性協同法律事務所・福岡)
 ビデオ「セクハラ相談 加害者ヒアリングの進め方」(日本経済新聞社)上映付き

日 時:12月8日(土)1時30分〜4時30分
場 所:ウイングス京都(京都女性総合センター)
   市営地下鉄烏丸御池駅・四条駅下車、阪急烏丸駅下車(いずれも徒歩約5分)
    (京都市中京区東洞院通六角下る)
    tel:075-212-7470
参加費:3000円 学生1000円

 大学でのセクハラ事件への対応では、被害者(相談者)・加害者(申し立てを受けた人)に対する「調査」が多くのケースで必要となってきます。しかし、双方の言い分は対立することがしばしばで、調査は容易ではなく、関係者を悩ませ、問題解決を遅らせることになってしまいます。そこで今回、職場・大学でのセクハラ事件を多く手がけ、調査にも携わっておられる弁護士の辻本育子さんをお迎えし、調査のノウハウ、知っておくべき法など、セクハラ調査の極意を学びます。はじめにビデオを上映しますので、実際には調査を経験したことがない方々にも調査の具体的なイメージがつかんでいただけます。各大学の担当者はじめ、セクハラ問題に取り組む方々に必見です。
 事前申し込みは不要です。キャンパス・セクシュアル・ハラスメント全国ネットワーク会員以外の方もご自由に参加できます。 
 問い合わせ先:三宅川(みやがわ) 
■会員の活動
◇会員の漆田和代さんより、高齢女性の性愛を喜劇タッチで描いた映画「百合祭」(浜野佐知監督)の上映のお知らせがありました。9月26日より全国各地で上映会が行われています。
 問い合わせは、「百合祭」上映委員会(tel:03−3426−0820)まで。

◇会員の坂田千鶴子さんより以下のご著書の報告がありました。
 坂田千鶴子『よみがえる浦島伝説―恋人たちのゆくえ』  新曜社、2001

※「会員情報」「会員の活動」コーナーについて
 会員から寄せられた情報を、とくに公共性の高いものを「会員情報」として、その他を「会員の活動」として掲載いたします。書籍の紹介も「会員の活動」として紹介します。掲載希望者はニューズレター担当(牟田、伊田)まで情報をお寄せ下さい。

なお書評は従来どおり、寄贈本の中から、幹事会で選択して取り上げることといたします。 
来年度大会案内
来年度の大会の日程と会場が以下のように決まりました。

  日程:2002年6月8日(土)・9日(日)
  会場:仙台エルパーク(仙台男女共同参画財団)
 例年どおり、8日は大会シンポジウム(テーマは未定)、総会、懇親会。
 9日は個人研究発表、ワークショップ、の予定です。
    ※個人研究発表、ワークショップの申し込みはニューズレター担当の牟田、伊田まで、 
        2月末日までにメールかファックスでお願いします。