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学会誌バックナンバー

14号(2006)/2007年3月発行 定価2571円(税込)

特集 「ジェンダーをめぐる暴力とトラウマ」—暴力への対抗としての、フェミニズムの希望のあり方 暴力への対抗としての、フェミニズムの希望のあり方——特集にあたって 伊田広行 暴力とトラウマ——性暴力やDV被害者との臨床から学んだこと 宮地尚子 構造化された暴力に抗して——今こそ明らかとなるハーグ判決の意義 大越愛子 フェミニズムの観点から教育と「暴力」を考える 木村涼子 投稿論文 性的自由と買売春 下地真樹 英国における第二波フェミニズムの起点 ——ラスキン会議における男女平等賃金要求をめぐって 冨永貴公 追悼する母たち——胎児とフェミニズムの行方 松浦由美子 報告 <北京+10> 中国女性学のいま 秋山洋子 書評 小林富久子『ジェンダーとエスニシティで読むアメリカ女性作家——周縁から境界へ』 杉山直子 ベル・フックス『とびこえよ、 その囲いを——自由の実践としてのフェミニズム教育』 伊田広行 バックラッシュを打ち返すための四冊 青山薫 A5判 並製 定価2571円(本体2381円+税) ISBN 978-4-88385-095-2

Journal

WOMEN’S STUDIES Vol. 14 (2006)

Journal of Women’s Studies Association of Japan WOMEN’S STUDIES Vol. 14 (2006) Edited by the Editorial Committee of the Women’s Studies Association of Japan CONTENTS Special Issue: Power and Trauma Connected With Gender Violence and Trauma: What I Learned from Clinical Experience with Victims of Sexual and Domestic Violence MIYAJI Naoko Against Structural Violence OGOSHI Aiko “Violence” and Education from a Feminist Perspective KIMURA Ryoko Articles: Prostitution and Sexual Freedom SHIMOJI Masaki The Origin of Second-Wave Feminism in the UK: Equal Pay Demands from the Ruskin Conference TOMINAGA Takahiro The Mourning “Mothers”: Problems of the Feminist Subject and a Fetus MATSUURA Yumiko Published by The Women’s Studies Association of Japan, Tokyo, Japan

アピール

日本女性学会による、柳澤大臣発言に関する意見書

2007年2月2日 日本女性学会第14期幹事会および会員有志  柳沢伯夫厚生労働大臣が2007年1月27日、松江市で開かれた集会で、女性を子どもを産む機械に例え、「一人頭で頑張ってもらうしかない」と発言をしていたことが明らかになりました。 これは、子育て支援を司る行政の長としてまことに不適切であり、即刻辞任されるよう強く求めます。 大臣の発言には、以下のような問題があると、私たちは考えます。 第一に、人間をモノにたとえることは、人権感覚の欠如と言えます。 第二に、女性を産む機械(産む道具)としてみることは、女性蔑視・女性差別の発想だと言えます。また、この観点は、優生学的見地に容易につながる危険性をもっているという意味でも問題です。 第三に、女性(人)が子どもを産むように、国(国家権力、政治家)が求めてもよいというのは、誤った認識です。産む・産まないの決定は、個々の女性(当事者各人)の権利であるという認識(リプロダクティブ・ヘルス・ライツ理解)が欠如しています。リプロダクティブ・ヘルス・ライツの考え方は、カップル及び個人が子どもを産むか産まないか、産むならいつ、何人産むかなどを自分で決めることができること、そのための情報と手段を得ることができること、強制や暴力を受けることなく、生殖に関する決定を行えること、安全な妊娠と出産ができること、健康の面から中絶への依存を減らすと同時に、望まない妊娠をした女性には、信頼できる情報と思いやりのあるカウンセリングを保障し、安全な中絶を受ける権利を保障すること、などを含んでいます。 第四に、子どもを多く産む女性(カップル)には価値がある(よいことだ)、産まない女性の価値は低いという、人の生き方に優劣をつけるのは、間違った考え方です。産みたくない人、産みたくても産めない人、不妊治療で苦しんでいる人、産み終わって今後産まない人、子どもをもっていない男性、トランスジェンダーや同性愛者など性的マイノリティの人々など、多様な人々がいます。どの生き方も、平等に尊重されるべきですが、柳澤発言は、子どもを多く産む女性(カップル)以外を、心理的に追い詰め、差別する結果をもたらします。 第五に、少子化対策を、労働環境や社会保障の制度改善として総合的に捉えず、女性の責任の問題(女性各人の結婚の有無や出産数の問題)と捉えることは、誤った認識です。子どもを育

NewsLetter

NewsLetter 第109号 2007年2月発行

日本女性学会NewsLetter (*会員に送付しているペーパー版の「学会ニュース」とは内容が一部異なります) 女性学会ニュース第109号[PDF] 2007年2月発行   学会ニュース 日本女性学会 第109号 2007年2月 ◇次回大会予告 2007年6月9日(土)・10日(日) 会場 法政大学 市ヶ谷キャンパス 東京都千代田区富士見2-17-1 JR総武線「市ヶ谷駅」または「飯田橋駅」から徒歩10分 東京メトロ:市ヶ谷駅または飯田橋駅下車徒歩10分 都営新宿線市ヶ谷駅徒歩10分 都営大江戸線飯田橋駅徒歩10分 シンポジウム バックラッシュをクィアする —性別二分法批判の視点から— ・大会日程 1日目 6月9日(土) 13:00〜16:30(予定) シンポジウム その後総会、懇親会 2日目 6月10日(日) 10:00〜12:00(予定) 個人研究発表 13:00〜15:00(予定) ワークショップ * 保育を予定しています。詳細は次号をご覧ください。 個人研究発表とワークショップ申込受付について タイトルと発表の概要(200字程度)・発表時に使用する機材(機材は希望にそえない場合があります)を記載して、3月20日までに、ニューズレター担当の木村涼子・伊田久美子まで、メールかファックスでお申し込みください。 ワークショップ :木村涼子 kimura●hus.osaka-u.ac.jp fax:06-6879-8115 個人研究発表 :伊田久美子 idak●hs.osakafu-u.ac.jp fax:075-791-9273 (●を@に書き換えてください) * ワークショップは、参加者との共同作業でテーマを発展させていく取り組みであり、個人報告とは性格の異なるものです。 * 個人研究発表は、共通テーマでのパネル応募も可能です。人数は3人以上とします。各報告の発表時間の公平性と質問の時間を十分にとることにご留意いただき、時間の配分、司会者等を申込者で設定してください。 ・大学院生等への旅費補助について ワークショップ、個人研究発表をされる方で、学生・院生・OD等、常勤職に就いておられない方には、学会より旅費の補助をします(総額10万円を、人数と距離に応じて配分しますので、補助金額は未定です)。希望される方は、報告申込のさい、「旅費補助希望」と明記してく

アピール

教育基本法「改正」に関する緊急声明

11月16日、教育基本法改正案は、野党欠席という異常事態の下、自民・公明の連立与党による単独採決によって衆議院を通過し、現在、参議院での審議に入っている。教育に関わる憲法とも言われる重要な法律の改正が、十分な審議を尽くさないままに遂行されようとしていることに対して、日本女性学会はここに声明を発するものである。 今般の教育基本法「改正」の与党案については、実に多くの個人および団体から疑問や反対意見・声明が提出されており、議論すべき点は多方面にわたっている。改正案には、日本女性学会が結成の柱とする「あらゆる形態の性差別をなくす」という観点からも、看過できない種々の問題点がふくまれている。 まず、現行第5条「男女共学」(「男女は、互いに敬重し、協力しあわなければならないものであって、教育上男女の共学は、認められなければならない」)の削除は、教育分野における男女平等の根幹をゆるがすものである。この条項は、戦前の学校教育システムが男女別学・別学校体系により女性差別を制度化していたことへの反省に基づき、男女共学の基本を謳ったものである。現在もなお、高等教育進学率における男女間格差や、後期中等教育および高等教育での専攻分野における男女比率のアンバランスなど、就学経路上の男女平等を確立する課題は山積している。女性学研究は、そうした就学経路上の男女格差が社会的・文化的に生み出されるプロセスや、教育における男女間格差が雇用などの性差別の問題とつながっていることなどを明らかにしてきた。第5条の削除は、それらの課題解決の進展を阻むのみならず、男女特性論に基づいた公立の別学校を新たに誕生させるなど、男女をことさらに区別した教育を展開させる誘因になるのではないかと強く危惧する。 その危惧は、現行法には存在しない「家庭教育」と「幼児期の教育」という二つの新設条項についてもあてはまる。「父母その他の保護者」の「子の教育」に関する「第一義的責任」をさだめた第10条「家庭教育」と、「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものである」と謳った第11条「幼児期の教育」は、教育や福祉の分野を、国家の責務から「家庭」の責務に転換していく方向性をもつものであり、さらには「母性」や固定的な性別役割分担の強調につながる危険性がある。 一方、改正案は、第2条「教育の目標」第3号(「正義と責任、男女の

NewsLetter

NewsLetter 第108号 2006年11月発行

日本女性学会NewsLetter (*会員に送付しているペーパー版の「学会ニュース」とは内容が一部異なります) 女性学会ニュース第108号[PDF] 2006年11月発行   学会ニュース 日本女性学会 第108号 2006年11月 ■特集 バックラッシュ関連の動き 連携して「反撃」を−「今こそいるねんジェンダー平等 いらんてそんなバッシング」シンポジウム報告 森屋 裕子 各地、各界で頻発するここ3.4年のバックラッシュの動きに対して、反論のための出版活動をし、雑誌の特集を組み、集会や抗議活動を繰り広げるという形の「反撃」が大きなうねりの形で盛り上がったのが、今年の春から夏だったのではないのだろうか。関西を中心に活動している世界女性会議ネットワーク関西(通称:ネッ関)も、「何かしなければ」の思いにかられ、シンポジウムを企画した。その成果が、7月16日にドーンセンター(大阪府立女性総合センター)で開催された「今こそいるねんジェンダー平等、いらんて!そんなバッシング」である。会場は遠方からの参加者も含めて立ち見が出るほどの人で埋まり、「何とかしよう!」という参加者の熱気が強く感じられた。 シンポジウムは、落合恵美子さん(京都大学教員)の講演「世界の分岐と『ジェンダー』をめぐる政治」における日本の「家族主義」の弊害についての指摘と「伝統的家族」にしがみつくバックラッシュ派への批判で始まり、伊田広行さん(立命館大学非常勤講師)による国内のバックラッシュの背景と意味の分析(演題「ジェンダーフリー・バッシングの背景と意味」)、鶴田敦子さん(聖心女子大学教員)によるジェンダー教育の歴史と教科書検定という権力の行使によるバックラッシュ現象の浸透の指摘(演題「ジェンダーをめぐる教育の状況とこれから」)という順序で進行した。その後、自治体行政や地方政治(森屋裕子/世界女性会議ネットワーク関西)、条例制定(二木洋子さん/高槻市市議)、性教育(野村啓子さん/中学校教諭)、労働(屋嘉比ふみ子さん/働く女性の人権センターいこ☆る)、大峰山女人禁制(大野京子さん/I女性会議なら)の現場からの報告が行われ、全体で討論した。最後に伊田久美子さん(大阪府立大学教員)が「ジェンダー主流化の動きは止まらない」としめくくり、『今こそいるねん「ジェンダー平等」宣言』(『いるねん宣言』)を全員で採択

NewsLetter

NewsLetter 第107号 2006年8月発行

日本女性学会NewsLetter (*会員に送付しているペーパー版の「学会ニュース」とは内容が一部異なります) 女性学会ニュース第107号[PDF] 2006年8月発行 学会ニュース 日本女性学会 第107号 2006年8月 2006年度日本女性学会大会報告 (大阪府立女性総合センターと協催) 日 時:2006年6月10日(土)・11日(日) 会 場:大阪府立女性総合センター(ドーンセンター) シンポジウム 「ジェンダーをめぐる暴力とトラウマ —暴力への対抗としての、フェミニズムの希望のあり方」 パ ネ リ ス ト:宮地尚子、大越愛子、木村凉子 コーディネーター:伊田広行 大会シンポジウム報告 伊田 広行(コーディネーター) 今年の大会シンポでは、昨年のシンポを引き継ぎ、フェミニズムの暴力への視座を、トラウマなどを絡めて深めようとした。暴力が蔓延する中で、「フェミニズムの非暴力・平和主義」とはどのようなものであるのか。それを明らかにすることで、バックラッシュに対抗する、フェミニズムの存在意義が示せるのではないかと考えた。 当日のシンポでは、宮地尚子さんが、性暴力・DV被害者との臨床から学んだこととして、トラウマをめぐって少し詳しく報告した。それは、暴力というものを繊細かつ複雑にとらえるものであり、そのことがシンポ全体の基調となった。大越愛子さんからは、「女性国際戦犯法廷」が戦争犯罪・性犯罪を不問にしてきた構造的暴力体制や歴史観、不法国家、植民地主義、セクシズムなどどの全体を裁いたことが明らかにされた。それはフェミニズムが、構造的暴力体制を解体する思想に変容していることの確認であった。木村涼子さんからは、暴力的・非民主的な学校教育を、フェミニズムが、男女2分法の自明視の見直しや「声」の尊重の水準で問い直してきたこと、バックラッシュ派と教育の場を巡ってヘゲモニー争いがあることなどが報告された。 3者の問題提起自体に示唆するものが多く、とくに宮地さんの議論の端緒が紹介できたことは、フェミニズム・ジェンダー学にとって本シンポの大きな意義であったと思う。フェミニズムの主張が、みずからの権力性や単純性、知らないということの特権性などを自覚し、常に繊細なレベルで暴力や差別をとらえる方向に進んでいけば、バックラッシュを反面教師にいっそうフェミニズムの魅力と必要性が広く認識されてい

研究会報告

「暴力AV研究会」報告

日本女性学会の研究会補助制度による補助を受けて、「暴力AV研究会」を2006年6月25日(日)、東京都内において開催した。参加者は8名と少人数だったが、活発な質疑応答がなされ、今日の暴力AV制作現場の実態を知る有意義な機会と なった。 今日、「レイプもの」「監禁もの」と呼ばれる、女性への様々な虐待を映像化したビデオやDVDの存在とその社会的影響について問題視する声が広がりつつある。実際に、AV撮影現場における集団強姦と拷問・虐待によって重い傷害を受け、後遺症によって車椅子生活を余儀なくされた被害女性の訴えによる事件(現在公判中)も起きている。 そこで、そのAV会社のAV制作現場にライターとして居合わせ、壮絶な現場の暴力を目の当たりにして問題提起したMさんの経験、AV女優と呼ばれる女性たちの労働の実態についてお聞きした。現場の映像を使用しての報告により、参加者は構造的な暴力の存在について詳細な事実を知ることになった。 「つぶす」という表現で、「使い古されたAV女優」が暴力AV出演を最後に映像から消えていく現実は、女性の身体と尊厳が搾取されている実情を明らかにした。 また、11月24日(金)午後6時から、新たに、「暴力AV研究会 その2」を企画している。この回では、AV女優派遣事務所のマネージャーから、AV女優と呼ばれる女性たちの派遣労働の実情をお聞きする予定だ。 女性学会会員のみなさまにも是非参加していただき、問題を明らかにしたいと考えている。研究会に参加を希望 される方は、y-nihei●ssjc.ac.jp までお問い合わせください。(メールアドレスの●を@に置き換えてください) (文責 二瓶由美子)

アピール

学会活動の自由と公正のための宣言

2006年6月10日 日本女性学会総会において採択 学会において、それぞれの会員が自由に活動をするためには、他人の権利の侵害、不当な差別やいやがらせ、研究活動上の不正のない、公正で対等な関係が不可欠である。 この宣言は、学会活動を十分に行う環境を作るため、日本女性学会の基本的姿勢を確認するものである。本学会は、「あらゆる形態の性差別をなくし、既成の学問体系をこえた女性学の確立をめざし、そのため、研究および情報交換を行なうこと」(本会規約)を目的としている。会員は学会の目的に反する活動をしない。また、あらゆる形態の差別をしないことに加え、今日新しく提起されているハラスメント行為についても視野に入れ、これを行わないことを確認する。 会員は、人種、民族、国籍、宗教、障がい、門地、年齢、容姿、性別、性自認、性的指向、婚姻上の地位、子どもの有無、その他あらゆる形態の差別をしない。 会員は公正に研究、調査活動を行う。調査対象者、研究協力者などのプライバシー権や人格権を尊重し、不利益を与えることをしない。 会員は、学生や院生、オーバードクターやポストドクター、研修員等も含め指導している者、雇用している職員や同僚など誰に対してもセクシュアル・ハラスメントおよびアカデミック・ハラスメントをしない。 会員は、直接・間接の監督・指導・評価などにおける職業上の地位を利用した搾取をしない。 会員は、公正に学会活動を行う。学会活動には、学会誌紙の編集発行、大会、研究会の運営や発表、参加などの他、学会を運営するあらゆる事柄を含む。 学会は、この宣言を実現するため、必要に応じて規程およびガイドラインを設ける。

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